麗しきビンテージの世界

コスチュームジュエリーやビンテージウオッチのことをつづっていきます。

アンティークウォッチの修理はどこに出すべきか?

壊れていないのに料金がかかる?!

以前、当店でお買い上げいただいたハミルトンのレディースアンティークウォッチの修理依頼を受けました。

病院で診察を受け、着替える時に、ポケットに入れていた時計を落としてしまい、動かなくなってしまったそうです。近くのデパートの時計修理に持っていったら、受付の方に詳しくは中の状態を確認しないとわからないですが、最低でも3万円はかかると言われたので、当店に送ってこられました。

お預かりした時計のリュウズを巻いて、軽く時計を振ってみるとそれだけで動き出しました。その後一週間くらい様子を見ていましたが、何の異常もなく時間通り動いていたのでお返ししました。もちろん、壊れていないので修理費は0円です。

私が学生の時、持っていたアンティーク時計のリュウズがとれてしまい、それも当時大阪の有名なデパートの修理に持っていったら、修理できないといわれたことがありました。今思えば、できないわけがない簡単な修理です。当時時計の知識がなかったので、修理をあきらめ、それ以降その時計は使わなくなりました。

また別の事例では、ブティックで購入されたアンティークウォッチの修理の依頼を受けたことがありましたが、販売員の方が時計に詳しくなく、状況がよくわからず結局当店に持って来られました。洋服の販売員さんが時計の状況を説明できないのは当たり前です。

修理職人さんがいる時計店に持っていくのがベスト!

時計の修理をされる際、どこに持っていくかはとても重要です。値段も変わってきますし、できる修理をできないと言われることもあります。

機械式時計の修理を出すときは、時計職人さんが店にいて、話を聞いてくれる時計店にだしましょう。簡単な修理ならその場で直してくれます。 それが無理ならば、受付する人が最低限の知識を持っているところにだしましょう。

できれば避けたいのは、上記のように時計の知識が全くない人が修理受付されているところです。壊れていなくても、受付して蓋をあけるだけで基本料金がとられてしまうこともあるかもしれません。

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(機械式時計はたくさんの部品が集まってできています。)

機械式時計の修理は職人さんの技術に大きく左右される

機械式時計の修理は職人さんの腕に大きく左右されます。こちらの職人さんができない修理でも、別の職人さんなら修理できることもあります。

以前お願いしていた職人さんは部品まで作ってしまうという強者でした。レディースだとサイズが小さくなるので、触るのを嫌がる職人さんも多い中、修理できないと言われた時計もいとも簡単に直してくれました。もうご高齢でお亡くなりになられましたが、その職人さんのお蔭でたくさんの時計が命を吹き替えました。

機械式時計の修理というのは、想像できないほどの繊細で緻密な世界です。 不器用な私には100年かかっても無理やわ!とよく職人さんに言われますが、本当にそうだろうなーと思います。

技術と経験のある職人さんが年々減っている中、腕のいい職人さんに出会えたらそれは本当にラッキーなことなのです。今にもつぶれてしまいそうな街の時計屋さんに腕のいい職人さんがひそんでいるかもしれませんよ。

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