すり減って(折れて)しまった天真
時計の心臓部と言われる、天真。以前時計を落としてはいけない理由を
書かせていただきましたが、今日は実際すり減ってしまった天真をご覧ください。かなり拡大しています。天真以外の部品もセットで写っています。
赤い矢印の上部の先がほぼない状態ということがご確認いただけますでしょうか?本来なら下部の先端と同じ長さがないといけません。
ほぼ折れている状態にも等しいのですが、驚くことにこの状態でもなんとか動きます。今回この写真をお見せしたのは、こういう状態で売られている時計があるかもしれないということをお伝えしたいからです。
オーバーホールしないと本当に大丈夫かわからない
全く動かない状態だったら、そういう時計を買おうと思う人は多くないと思いますが、『だいたいちゃんと動いているよ、たぶんオーバーホールしたら大丈夫』と言われたらどうでしょうか?
以前、お客様で海外の時計店で購入して、オーバーホールすればちゃんと動きますと言われ買ったけど、すごく特殊な時計で修理できなかった例があります。
これはその時計店が良心的で、最終的には返品を受け付けてもらえてもらえたようですが、高額な時計だったようで、海外との慣れない英語での返金交渉、海外へ送り返す返品作業、返金手続きもすごく大変で、ちゃんと返金されるまで不安で不安で気が気でなかったとおっしゃってました。
保証はやっぱりあった方がいい
国内のオークションで個人の方から購入した場合、この状況を知っていて売っているのか、知らずに売っているのか判断がつかないですよね。
修理店に持っていったら、修理費用がかかる、あるいは修理を断られた、→オークションで売るという方も多いと思います。
保証のついていない時計を買う場合は、本当に注意が必要だと思います。安いと思って買ったけど、結局高くついてしまったということのないように・・・。
オーバーホールは定期的にしましょう
そして、すり減ってしまうのはあまりにも長い間オーバーホールされていないことが原因です。定期的に古い油を落として、新しい油をさしてあげましょう。最初から健康な時計を購入すれば、トラブルはありません。