時間が遅れるのですが・・・。
時計が数時間でとまってしまうのですが・・・。
こういう修理のご依頼をお受けした時、初めてアンティークウォッチを購入された方には、使用状況を詳しく聞くようにしています。
時計をお預かりして状況を確認してみると、私が作動させると全く何の問題もない、時間通り動いている・・・ということが結構あるからです。
で、よくお話を聞いた結果、そういえば、リュウズをしっかり最後までまわしていなかったかも?アンティークウォッチは繊細というイメージがあって恐る恐る回していたという方がまあまあの割合でいらっしゃいます。
これ、女性で初めてアンティークウォッチを購入された方のあるある話です。
今はオークションや個人の方からネットで譲ってもらったり、専門知識のないブティックなどで購入してしまうと、使い方の説明がないので、よくわからずに使っていたという方が多いのかもしれません。
知り合いの美容師さんはロレックスのビンテージウォッチをつけたまま、シャンプーの時水がかかっても、気にせずガシガシ洗っていると聞いて、”えぇー、それはダメ~”と思わず叫んだということもあります。
こういうことがよくあるので、当店では店頭でお買い上げいただいた方には、リュウズの回し方などの説明や注意点などしっかりお伝えします。
ネットでお買い上げいただいた方には、写真つきで説明書をおつけしています。
機械式時計は細かな部品を組み立ててできているので、今の時計よりは確かに繊細にできていますが、そう簡単には壊れません。そんな頻繁に壊れるなら、売る側も怖くて販売することはできません。
リュウズを巻けなくなるまでしっかりまわしていただければ、36時間ぐらいは動きます(時計によって違います)
リュウズを回すとゼンマイという部品がきゅっと中心にむかってちじみ、それがほどけて広がっていく動力を使って時計は動いています。最後はその広がる力が弱まってきますので、徐々に時間は遅れてとまります。
途中でリュウズを回すのをやめてしまうと、数時間で巻き終わりに近づいて、毎回遅れるという状況になってしまいます。
修理に出される前に上記事項をしっかり確認してみてくださいね。修理に出す必要はなかったってこともあるかもしれません。