麗しきビンテージの世界

コスチュームジュエリーやビンテージウオッチのことをつづっていきます。

ロレックスとチュードルの関係は姉妹だったというお話

ビンテージウォッチを見ていると、TUDORと書いた時計を見かけることがあります。TUDORと単独で書かれていたり、その文字の下にROLEXの文字が一緒になっている文字盤もあったりと、TUDORとロレックスの関係性がいまいちピンとこない方もいると思いますので、その違いについまとめてみました。

TUDORとはロレックスが別に立ち上げたブランド

当時ロレックスの創設者ハンスルドルフは、ロレックス以外にも複数のブランドを立ち上げようとしていて、かなりの数の名前を商標登録していました。彼はTUDOR以外にも、UNICORNやMARCONIなど、ロレックスの時計の愛称の一つとして作ってみて、人気が出れば別ブランドを立ち上げようと思っていたようです。TUDORもそのうちの一つでした。TUDORだけがそれに成功して、別ブランドになったわけです。1930年代にはすでにTUDORと書かれた時計はありましたが、ブランドとして明確になったのが1943年のことで、ロレックスから独立してTUDOR社ができたのは1946年のことです。

そもそもTUDORとはなんのことか?

TUDORとはイギリスの王室、ヘンリー七世~エリザベス一世までのチューダー王家のことです。この王家の紋章がチューダーローズと呼ばれていて、TUDORの名前と一緒にこのバラがロゴとして描かれています。このロゴは優雅さと丈夫さを意味するそうです。

王家の名前を商標登録したとは、よく考えればすごいことですね。例えば日本の皇室の名前を商標登録しようとしても、恐れ多くてそういう発想自体浮かばないでしょうし、実際許可されることはないでしょう。登録申請した彼の商売人魂もすごいですが、それが認められたということも、今の日本では考えられないことです。

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チュードルはロレックスの廉価版として開発された時計

イギリスの王家の名前と紋章を使ったことからわかるように、当初はイギリス向けに作られた商品で、発売するやいなや大人気の時計となりました。アメリカに輸出されるようになったのが、1946年のことです。その時のキャッチコピーが、『スターターロレックス』で、1953年の広告には『TUDORは働く人のための腕時計』と書かれています。ROLEXのお手頃価格版として売り出そうとしていたのが、これらの広告からもわかりますね。

レディースに関して言えば、TUDORの初期の時計でダイヤがあしらわれたドレスウォッチを見かけたことがありますが、大部分は装飾のないシンプルなデザインな物が多いです。仕事場でつける時計として販売されるようになったため、ケースのデザインもそれにあうように作られるようになったのでしょう。

 ロレックスとチュードルの関係がおわかりいただけましたでしょうか?

ロレックスとチュードルは姉妹のような感じですね。親がロレックスの創設者ハンスルドルフで、チュードルに人気が出たので、お嫁に行かせて別の苗字になったという感じです。でも元々姉妹だったので、デザインは今でもよく似てますよね。