麗しきビンテージの世界

コスチュームジュエリーやビンテージウオッチのことをつづっていきます。

つぶしのゴールドの中から見つけたのはお宝ジュエリーだったお話

以前、知り合いの宝飾業をされているおじさんから、面白い物があるから見に来ない?と電話がありました。

芦屋にお住いの奥様が、昔海外でお仕事をされていたお父様がお土産に買ってきてくれたジュエリーを持って来られたそうです。『ゴールドに潰してしまうのはもったいないから、買わへんか?』とおじさんが一番に見せてくれたのは、ヴァンクリーフアーペルの馬のブローチ。

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なるほど、デザインもよく、状態もきれい!エメラルドとダイヤがあしらわれていて、なんてエレガントな馬なの!と一目惚れで即買い取りしました。これは自分でも欲しいなと思っていたのですが、ショップに出した途端すぐに売れてしまいました。

そして、まだ他にもいっぱいあるよという言葉に促され、無造作に置かれたゴールドの山の中から、一つ気になったネックレスを見つけました。他のネックレスと複雑に絡み合っていたのをなんとかほどいて見ていたら、おじさんが『そのネックレスいいやろ?』と。

うん、確かに持っても温かみがあってとげとげしていない。そしてつけても、首にそうように作られているのか、肌のあたりがとても柔らかい。丁寧に作られていることがわかる。

イメージとしてはこんな感じのネックレスでした。下記の写真はトリファリの60年代のネックレスです。こちらのネックレスと本当によく似ていました。この時代リアルジュエリーもコスチュームジュエリーもこういうデザインの物が流行っていたのでしょうね。

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確かにいいネックレス。これもつぶされちゃうのかー。と思ったのですが、自分で買って使うにはちょっとゴージャスすぎる・・・。18金の重量だけでもかなりの金額になるので悩んでいると、ふとあることに気がつきました。

ネックレスの裏側、本当に目立たないところに肉眼ではわからないくらいの文字で何か書かれていて、ルーペを借りて見てみると、そこにはTIFFANY & COの文字が!

刻印をさらによく見てみると、ティファニーの1960年代に作られたネックレスだったことが判明。なんか、すごく腑に落ちたというか、さすがティファニー。持った感じとか、つけた感じが他のネックレスとは明らかに違っていたのは、そういうことだったのねと納得。

何の情報もない状態で見ても、これがいいものだとわかるのは、本当に腕のいいジュエリー職人さんが作っているからこそ。ティファニーの名に恥じない物を作ろう、いい物を作りたい、そんな職人魂を感じさせてくれるネックレスでした。

で、これがティファニーの物だと分かった途端、これは絶対潰したらアカンやつよね?!となり、だけど即決するには結構な金額で、1日考えさせて欲しいと言ったその日のうちに、おじさんのお店で次の持ち主が決まってしまいました。

やはりいい物は時が経てもいい。だからすぐ売れるのだと、考えていてはいけないのだとこれもまた妙に納得した一日でした。

こちらはティファニーのブローチ。三日月に矢がささったロマンチックなデザイン。

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