リダンはしない方がいい、オリジナルがいい!というのが大前提でのお話
リダンに関しては男性側から書かれることが多いので、ここでは女性視点でのリダンについての意見ということで読んでいただけたらと思います。
リダンとは
時計の文字盤にシミや汚れがついている文字盤を再生させる作業のことを言います。
リダンが嫌われる理由は3つ
ダメなリダン
これは、オリジナルと大きく違って書き換えられたリダンです。これはもう全く違う時計になってしまうので、購入はおすすめしません。たまに違うメーカーの時計の文字盤にTIFFANYと書かれているものを見かけます。ティファニーは昔機械を違うメーカーの物を入れて自社の時計として販売していたため、ここを悪用されてしまいます。これは偽物を高く売るためのリダンで、問題外。
そして、自分好みの色にリダンされた時計、オリジナルとはかけはなれたリダンはやはり時計の価値を大幅にさげてしまいます。
そして時々、とんでもなく下手なリダンがあって、これならしない方がよかったと思う物があります。
リダンしない方がよい時計
中にはリダンしないほうがいいという時計もあります。いい具合に全体にやけていて、アンティークならではの文字盤とケースのデザイン、これはリダンしてしまうときれいになりすぎて、違和感を感じるかもしれません。そのままの方が味があってよい場合も多々あります。よく考えてリダンをするかどうか決めた方がよいかと思います。
1920年頃のティファニーのアンティークウォッチ
リダンしているかどうかの見分け方
これは一般の方には難しいかもしれません。オリジナルの文字盤をたくさん見てきた方なら、単純に字体が違ってたり、微妙に曲がっていたりとか、下手なリダンなら一目でわかります。
すごい上手いリダンの場合はケースの蓋を開ければだいたいわかりますが、これは一般の方には無理ですよね。開けるのに専用の工具がいりますし、何より開けることをお店の人が許してくれないでしょう。これは素直にお店の人にリダンがされているのかどうか聞くのが一番です。良心的なお店ならきちんと答えてくれると思います。
リダンの良い点
何よりきれいになります。ここから女性視点になりますが『文字盤がシミだらけの時計つけたいですか?』ばっちりメイクもして、髪も整え、ファッションも決めて、さあ今日はレストランでお食事ってなった時に、シミだらけの時計をつけたいと思うでしょうか?それがオリジナルでいくら価値のある時計だったとしても、知らない人からしたらそれは汚れた時計にしか見えません。
リダンがいいか悪いかの答えは自分次第!
時計の職人さんは『リダン嫌いやねん』とよくおっしゃいます。嫌いなのは圧倒的に男性が多いです。どんなに汚れていても時計好きの方はやはりオリジナルにこだわられる方が多いです。一方で女性はオリジナルかどうかより、きれいかどうかを気にされる方が多いように思います。
50年も経てば、人間だって顔にシミができて、女性ならパックしたりシミ取りしたりします。50年も経てば、家だっていろいろなところにガタが来て、リフォームしますよね。
時計だって同じです。祖母の形見のオメガのアンティークウォッチ、シミだらけで使うのが恥ずかしかったけど、リダンしてきれいになって、今日から毎日使います!と嬉しそうにお話ししてくださったお客様もいらっしゃいます。
オリジナルにこだわって引き出しの中にしまったままになるなるくらいなら、リダンして使われた方がいいと思います。これは本当に価値が下がったことになるのでしょうか?
ロレックスのジュエリーウォッチは数も少なく、今とは違う職人技が光る繊細なデザインなものが多いです。機械問題なし、ケースもダイヤモンドもきれい、だけど文字盤に問題ありというだけで、業者にわたってゴールドに潰されてしまうくらいなら、ダイヤモンドの輝きと違和感ないように、文字盤を元の輝きに戻して、また大切に使ってくれる人を探してあげたいと思います。
リダンと聞いただけで、なんとなくダメ!偽物!というマイナスなイメージばかりがありますが、リダンすることで輝きを取り戻し、救われる時計がたくさんあります。
結局はリダンがいいか悪いかに答えはありません。時計の向き合い方が人それぞれ違うからです。