麗しきビンテージの世界

コスチュームジュエリーやビンテージウオッチのことをつづっていきます。

スタンレーハグラーのカラフルなビーズワーク

コスチュームジュエリーファンの方でミリアムハスケルは知っていても、スタンレーハグラーは知らないという方は結構たくさんいらっしゃるのではと思います。

スタンレーハグラーのジュエリーはビーズワークや裏側のワイヤーの処理の方法などミリアムハスケルと非常に似ている点がいくつかあります。ジュエリーの素材も、最高級のスワロフスキーやムラノガラスが使われていることもハスケルと共通します。

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これはスタンレーハグラーが1940年代にミリアムハスケルの会社でビジネスアドバイザーとして働いていたからです。1950年代後半から独立して、自身の名のジュエリーの製作を始めます。

1968年にスワロフスキーデザインアワードを初めて獲得して以降、何度も受賞し、内外からその素晴らしさが認められました。

そしてそのデザインと色遣いは、一度見ると忘れられないくらいインパクトがあります。

ハグラーとハスケルのジュエリーは似ている点があると書きましたが、見分けがつかないかと言えばそうではありません。なぜなら、シックなミリアムハスケルに対して、ハグラーの方が圧倒的にカラフルで明るい色のビーズやガラスが使われています。

ハグラーのブローチの裏側のカバーを外したことがありますが、その時に驚いたのが縦横無尽に張り巡らされたワイヤー。

 

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特に葉っぱの部分のワイヤーがすごい。ゆるむことなくしっかり留められています。

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この上からさらにカバーをかけるのは、このワイヤーでお洋服に傷をつけないため。これはハスケルのジュエリーも同様に行われていますね。

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単色で製作されているブローチもありますが、色遣いが特徴的です。

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サンゴ色のブローチ

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ターコイズ色のブローチ

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真っ白なブローチもあります。

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これらのブローチはブローチコンバーターを使ってペンダントトップにしても素敵です。

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ジュエリーの裏側を見ると、サインが入っていますが、そのサインを見ればおおよその製作年代がわかります。どれも楕円形のプレートに刻印されています。

1950年代~ STANLEY HAGLER

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1983年にフロリダに会社を移動させてから STANLEY HAGLER N.Y.C

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1989年~1996年頃 とIAN St.GIELAR あるいはSTANLEY HAGLER NYC(ピリオドなし)

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STANLEY HAGLERのデザインを1989年からIAN St.GIELAR(イアンセントジラー)が担当するようになってから1996年頃までこのサインが入るようになりました。1996年にハグラーが亡くなった後も、2007年までジュエリーは製作されました。

現在市場にでまわっているのは、1983年~1996年頃の物が多く、1950年~1970年頃の物はごくわずかです。