- ディオールのコスチュームジュエリーをデザインした人たち
- ディオールのコスチュームジュエリーの特徴
- ディオールとスワロフスキーで開発したもの
- ディオールのサイン、刻印
- クリスチャンディオールの珍しい動物デザイン
クリスチャンディオールが自身のメゾンを立ち上げたのが1946年。今手にすることができるディオールのコスチュームジュエリーのほとんどは、実際彼がデザインしたものではありません。ディオール自身もジュエリーのデザインをしていましたが、マリリンモンローのようなハリウッド女優など、オートクチュール用のごく一部の顧客向けでした。それらは現在ほとんど流通していません。それではディオールのコスチュームジュエリーは誰が作っていたのでしょうか?
ディオールのコスチュームジュエリーをデザインした人たち
アメリカのヘンリーシュライナーは、1940年代後半~50年代にディオールのジュエリーをデザインした後、自身の会社を立ち上げました。クレイマーは1950年代前半、イギリスのミッシェルマイヤーは1952年~1956年までデザインをしました。そのほかにもドイツのヘンケル&グロッセ(1955年頃から)、フランスのグリポワ(1947年後半~)等が名を連ねています。彼らとはいわゆるライセンス契約していたわけです。当時これらのジュエリーは、どこでも購入できたわけでなく、ごく限られた高級店だけで販売されました。
ミッシェルマイヤーのネックレスとオリジナルボックス Christian Dior Creation by Mitchel Maerと書かれたタグがついています。
これだけ個性豊かなデザイナーがディオールのジュエリーを製作しましたが、どれも気品に満ち溢れています。ディオールの名で販売されるジュエリーは、ディオールの品格を落とすようなものであってはならない、というメゾンの思いが反映されているからです。
ディオールのコスチュームジュエリーの特徴
使われているストーンやストーンの組み合わせにディオールらしさがあふれています。
ストーンに模様が入っている物や、表面にクラックが入ったようなストーン、パープルやピンクは他のジュエリーでは、あまり見かけることのないディオール独自のものです。いくつかのストーンは他で使われないように、独占権を持っていたようです。
下記のブローチは、グレーストーンの表面に、ブラウンとグリーンの模様が入った非常に珍しいストーンが使われています。長年コスチュームジュエリーを扱っていますがこのストーンはディオールでしか見たことがありません。
Cristian Dior クリスチャンディオール グレーとレッドのブローチ - コスチュームジュエリー、アンティークウォッチ|ミグパリ【migparis】
また、バラやスズラン、野の花などのモチーフがジュエリーに多用されていたのは、彼が庭やフランスの田舎を愛していたからだと言われています。
ディオールとスワロフスキーで開発したもの
ビンテージのコスチュームジュエリーでもよく見かける、オーロラカラーのストーンはディオールがスワロフスキーとのコラボで1955年に開発したものです。虹色に光るように表面にメタリックなコーティングが施されています。
これはコスチュームジュエリーの中では非常に重要な出来事です。同じブルーでも、表面にオーロラ加工されると、通常のブルーとはまた違う色になります。この加工を施すことによって、ストーンの色数が倍に増えたわけです。そしてこのストーンが使われているジュエリーは、1955年以降に作られたということがわかります。
Cristian Dior クリスチャンディオール ホワイト&オーロラのブローチ - コスチュームジュエリー、アンティークウォッチ|ミグパリ【migparis】
ディオールのサイン、刻印
ディオールのコスチュームジュエリーには、1970年代前半くらいまでに作られたものは、製造年代が刻印されています。
1970年代中頃にはいってくると、年代の刻印は見られなくなってきます。Chr Diorだけの刻印は、だいたい1970年後半から1980年代に製造されたもです。
ディオールの刻印は本当にいろいろあります。どれか一つに定まることはありませんでした。いつ作られたものか、刻印を見るだけでわかるというのはコレクションする物にとっては楽しいですね。
クリスチャンディオールの珍しい動物デザイン
今のクリスチャンディオールでは考えられない、きれいだけでなく、可愛らしいデザインの物も当時製造されています。きつね、鳥、カエル、蜂、馬、蝶々、白鳥などいろいろな動物をモチーフにしたブローチを製作していました。見ているだけで楽しくなるジュエリーです。
小鳥のブローチは970年代に製造されたもの。非常に珍しいデザインです。
migparis.com
クリスチャンディオールはメゾンを立ちあげてから、わずか11年後の1957年に、52才という若さで亡くなってしまいましたが、ディオールの名前を冠したジュエリーは、彼のスピリットを失うことなく、60年経ても尚人々を魅了し続けています。
ミグパリで今まで販売したディオールのジュエリー写真集もあわせてご覧ください。↓
こちらのブログも参考になります。