トリファリのコスチュームジュエリーを語る上で、欠かせないのがアルフレッドフィリップという人物
彼はフランス人で、1930年にトリファリのチーフデザイナーについてから、1968年まで40年近くトリファリに在籍しました。これだけ長く、トリファリの黄金期のデザインを担っていたということは、トリファリ=アルフレッドフィリップと言っても言い過ぎではないかもしれません。
彼はトリファリに入る前、カルティエやヴァンクリーフアーペルのジュエリーをデザインしていたこともあり、そのデザインや技術をトリファリでも多く取り入れます。
彼の代表的なデザインの一つがフルーツサラダと呼ばれるストーン。以前ミグパリで販売したフルーツサラダのジュエリーをいくつかご紹介します。
透明感のあるピンクのストーンがあしらわれたブレスレット。
ブルー、グリーン、ピンクの3色のストーンを交互にあしらったネックレス
こちらはブローチとイヤリングのセットです
こちらはムーンストーンのような乳白色のストーンが使われたファークリップ
ターコイズのような不透明のブルーストーンがあしらわれた星形のブローチ
こちらもピンクのストーンがあしらわれたファークリップです
トリファリとカルティエの類似性
カルティエの1900年から1939年に製作されたジュエリーの写真集を見ていると、トリファリと似ているなと感じるジュエリーがたくさんでてきます。これはやはりアルフレッドフィリップの影響が大きかったのではないかと思います。
このどんぐりの実のような形をしたストーンもそのうちの一つで、1920年代にカルティエが本物の宝石を手彫りしてブレスレットやイヤリングを製作しています。1925年のパリ万博用でもいくつか展示されていました。
カルティエの方はルビーやサファイヤやエメラルドを使って製作していたため、お色は3色しか見られませんが、トリファリの方はガラスですので、色には制限なくいろいろな色で製作することができました。
こうやってカルティエのジュエリーブックと見比べてみても、トリファリのフルーツサラダは見劣りすることなく、これが本物の宝石かどうかはそれほど重要でなくなってきます。
こちらのフルーツサラダシリーズは、現在でもコレクターの間で非常に人気のあるコスチュームジュエリーとなっています。
ミグパリでも現在ネックレスとイヤリングを販売しています。とてもコンディションのよいネックレスとイヤリングのセットです。
migparis.com