お客様からネットでご注文いただいて発送させていただく際、宅急便の伝票に品名を書く欄があるのですが、ここには時計ではなく必ず精密機械と書くようにしています。
理由は2つ。
時計と書くと高価な時計では?と思って盗難される可能性が高くなるから。
以前、ロレックスで部品を購入して発送していただいたのですが、この時発送人のところにはロレックスの文字は一つも記載されていませんでした。サービスセンターとだけ書かれていたかと思います。これも恐らく盗難防止を意識してのことだと思います。
そして、もう一つの最大の理由。
ビンテージウォッチは精密な部品を組み合わせてでできているので、手荒に扱われないようにするためです。時計と書くとそれを見た人は機械式時計なのか、少々衝撃を与えてもOKなクォーツ時計なのか判断がつきません。機械式時計と書いてもそれがどういうものなのかピンと来ない人もいます。
精密機械と書くと、投げたり落としたりしてはいけないと誰もが簡単にイメージできるのではないかと思います。
ここで何が言いたいかと言いますと、ビンテージの時計を初めて購入される方は、中の機械部分を見たことがないので、なんとなく古くて錆ついていて、すぐ壊れるのでは?というイメージを持たれている方もたくさんいらっしゃると思います。
保証をつけて販売している良心的な時計店が販売している時計なら、実際にはそういうことはありません。
お客様に丁寧に扱ってくださいとお願いしているのは、古い時計だからというより、細かい部品を組み合わせてできている機械だからという意味合いが強いです。お客様とお話していると、時々この認識の違いを感じます。
例えばパソコン、これも精密機械です。これを雑に扱う人はいないと思います。誰もが何となく当たり前のように丁寧に扱っていると思います。
普段私は仕事でノートパソコンを使用していますが、最近地震が多いこともあって、帰宅時にはデスクの上に放置せず、必ずケースに入れて片付けて帰ります。
出し入れする際、落とさないようにしっかり持ちますし、デスクの上に置く際もドンと音を出して置くことはありません。静かに置きます。
仕事の合間の休憩タイム。コーヒーや紅茶を飲みながらパソコン操作しますが、水分がキーボードの上にこぼれないように注意します。
だからといって、パソコンのキーボードを壊れないように静かに叩いているかというとそんなことはありません。女性の力で少々バンバン叩いていても、それくらいの衝撃では壊れないことを知っているからです。
時計も一緒です。普通に使っていて時計が簡単に壊れることはありませんが、機械なのでパソコン同様、保証期間内でも何らかの原因で壊れることももちろんあります。
取り扱いという意味において、パソコン=ビンテージウォッチはよく似ているということを知っていただけたらと思います。