冬場プラスチックの櫛で髪をとくと静電気がひどくて、思い切って以前から欲しかったつげ櫛を買ってみました。
つげ櫛と言ってもスーパーで数百円で買えるから万単位の物までピンキリで、価格差の理由を調べているうちにいきついたのが”武蔵屋 富田正さんのつげ櫛”江戸時代から続いた老舗の櫛屋さんです。
美智子皇后のご成婚の式典の際の髪を飾る櫛を作られた方で、機械を使わず一から手作業で製作される貴重なお一人だったそうです。
ご本人は数年前に亡くなられ、お店にわずかに残っていた在庫を購入させていただきました。
つげは40年~50年もの間乾燥させた国産の物が使われています。表面は木とは思えないくらいすべすべ。フォルム手触り、櫛どおりどれをとっても本当に素晴らしいです。あまりにきれいで手に取るだけでトキメキます。
もう手に入らないと思うと使うのがもったいない気がしますが、それは製作者の本意ではないと思うので、一生物の櫛として大切に使いたいと思います。
椿油が浸透していって少しずつあめ色に変化していく櫛を見るのも楽しみです。